口を開閉するとその度に「カクン」と音が鳴ったり、顎に痛みを感じたりします。最近では口をスムーズに開けるのも難しくなってしまいました。これは何かの病気でしょうか?また、放っておいても大丈夫でしょうか?
栄スワン歯科・矯正歯科からの回答
口の開閉時に音が鳴ったり、顎に痛みを感じたりすると不安になりますよね。これらの症状は「顎関節症」という病気が原因の可能性があります。顎関節症は適切な処置で改善されることがほとんどですが、重い症状を放っておくとより一層悪化するおそれがあるため、きちんと治療することをおすすめします。
顎関節症とは
顎関節症とは、顎の関節やその周囲が痛んだり動きにくくなったりする病気です。「顎に痛みを感じる」「口が開かなくなる」「顎を動かした際に音がする」といった症状のうち1つ以上が現れており、ほかに疾患が認められない場合は顎関節症と診断されます。
また、上記の代表的な症状だけでなく「頭痛」「首や肩など全身に及ぶ痛み」「めまい」「耳鳴り」「歯の痛み」などの副症状が発生するのも顎関節症の特徴です。
顎関節症が起こる原因
顎関節症はさまざまな原因によって起こります。患者様で多く見受けられるのは、歯ぎしりをする癖がある方や、上下の歯の噛み合わせが合っていない不正咬合の方です。これらの要因は顎関節に大きな負担をかけ、顎関節症を引きおこすことがあります。
また、精神的なストレスで顎まわりの筋肉が緊張した状態が続く方や、頬杖や猫背などのよくない姿勢、左右どちらかの歯でばかり噛む癖などがある方は、顎関節症にかかりやすいタイプといえるでしょう。
顎関節症の治療方法
では、顎関節症はどのように治療すればよいのでしょうか。一般的なのが、顎関節症治療用のマウスピースを使用する方法です。歯科医院で患者様の噛み合わせに合わせたマウスピースを作製し、それを睡眠中に使用することで無意識時の歯ぎしりや噛みしめを防ぎます。睡眠時の顎への負担は起床時よりもはるかに大きいため、睡眠時の負担を軽減するだけでも顎まわりの筋肉のダメージは軽くなります。
マウスピースは既製品も市販されていますが、噛み合わせに合わないものを使用すると、かえって顎に負担をかけることになりかねません。マウスピースを使用する際は、ぜひ歯科医院でご自分の噛み合わせにあったものを作製しましょう。
また、患者様が自ら行うセルフケアでも顎関節症の症状を緩和することは可能です。痛みを感じるときは、氷水を入れたビニール袋を痛む側の顎関節の外側に10分間当てて冷やした後、口をゆっくりと開閉して顎関節を動かし、筋肉を引き伸ばしましょう。これを1日数回行うことで、痛みが軽減されます。
なお、噛み合わせのズレがひどい場合は、矯正治療によって歯並びを改善することもあります。
栄スワン歯科・矯正歯科 院長より
顎関節症を放置しておくと、症状が悪化してしまったり、日常生活に支障が及んだりすることもあります。痛みや口の開閉しづらさなどの症状を自覚したときは、すみやかに歯科医師に相談しましょう。患者様のお口の状態に合わせて、マウスピースの作製や矯正治療など最適の治療法をご提案いたします。